先日鳥取大学医学部の学生と話をしていたら、「猫手Necote」というボランティアサークルが活動していることを聞き、早速取材に行きました。サークル部員は30人くらいおり、医学科や看護学を専攻している学生達から成り立ち、大学近くの一般社団法人「手と手TetoTe」といういわゆる「こども食堂」で活動しているとのことです。家庭や学校で居場所のない小学生から高校生までの子供たちとゲームをしたり、宿題を手伝ったり、食事を一緒にして「手と手をつなぐ」活動をしています。最近、「子ども食堂」は全国的に多くみられるようになりました。ここは家庭でも学校でもないもう一つの居場所。子供たちがそのままの自分で居られる場所を見つけるということですが、本来は家庭や学校で築くはずの自分のアイデンティティがそれ以外の場所でしかできないというのはちょっと違和感を持ってしまいます。家には遅くまで仕事で帰らないお父さんとお母さん、塾に行かされる自分など、現代日本の歪んだ構造が見えるような気がします。部長の大〇周君(医学科6年生)は兵庫県姫路市の高校の時から将来的には小児科医になりたいと猛勉強をして、鳥取大学医学部に現役で合格されています。「TetoTe」には不登校や発達障害など様々な問題を持つ子どもも集まって来、喧嘩もおこるが、まずお互いの話をしっかり受け止め、もがきながら大きくなっていくこどもの成長を「猫の手」のように、支え寄り添えるようになりたいと述べてくれました。将来良い小児科医になってくれることでしょう。
(2024.6..29)