コロナ感染が収束すればオリンピックを初め色んな行事が始まりますが、女性蔑視と思われる発言は良くないですね。平塚らいてうは「元始女性は太陽であった。しかし今は月である。他の光(男性)に依って輝く青白い顔の月である。」と言って、女性解放運動を開始しました。言語能力など女性が優れている点や大部分の女性は甘い食べ物が好きであるなどは実感するところですが、男性から見てちょっとついていけないことが時々あります。だいぶ前になりますが、藤岡幸夫(関西フィルハーモニック管弦楽団首席指揮者)が主催する番組「エンター・ザ・ミュージック」で、伊福部昭氏(映画ゴジラのテーマ曲の作曲で有名)が作曲した舞踏曲「サロメ」の紹介をしていました。「サロメ」はかつてオスカー・ワイルドが書いた戯曲をリヒャルト・シュトラウスのオペラや三島由紀夫の演劇台本演出など、多くの芸術家に取り上げられている有名な物語です。簡単に紹介すると、古代イスラエル王国において継父ヘロデ王が王女サロメ(血のつながりのない娘に当たる)に無理やりに妖艶な踊りを舞わせたところ、その見返りとしてサロメは囚われている美しい預言者ヨカナーン(サロメが心惹かれている)の首を斬り落とすことを要求したという、王女の無垢で残酷な激情と悲劇的な結末を描いたものです(図1,2)。前夫をヘロデ王に殺されたサロメの母ヘロデイアイスのたくらみであったようですが、いずれにしてもおどろおどろしい話です。私がもっと驚いたのはアシスタントとして出ていた、テレビ東京アナウンサー繁田美貴さんは、小学生の時「何故好きな人の首を欲しがったのかわからなかったが、ドキドキしながら原作を読んだ」そうです(図)。小学生の女子が、ですよ。 毎日チャンバラごっこに明け暮れ遅くまでキャッチボールをしていた小学生の私たち男子と比べ、同世代の女子たちはやはり「太古の昔、太陽であった」と驚愕せざるを得ません。男女では生まれつき精神行動学的原理が違うのでしょうか。(2021.4)
ビアズリーによる挿絵。ヨカナーンの首を手にしている(Wikipediaより)。