最近では何でもネット環境が発達し簡単に調べることができます。我々が文献を調べる時、昔は図書館に行って重たい書物を台に載せてコピー機まで運んでいましたが、今では机上のコンピューターで直近に出た雑誌を閲覧することができます(図)。鳥取大学消化器・小児外科教室では毎週抄読会を行っていますが、大学院生たちは「Nature」「Cell」などを競って紹介しており私は赴任当初から驚いております。また私と共同研究して頂いている「生化学教室」で行われる時にはあらかじめ読むJournalが紹介されるのですが、ある時事前に回ってきた「Nature」のURLをクリックすると原文とともに少し拙い「和訳」が出てきたのです。うちの大学院生が和訳を読んでいるかは知りませんが、携帯で簡単に電車の中でも一流雑誌が読めることは素晴らしいことです。若い人たちにどんどん良い論文を読んで書いていって欲しいものです。また、原稿を書く際にも以前は指導者に真っ赤に直されて返って来たものをまた1から手書きで直す必要がありました。かつて大阪大学第一外科教室生化研のM先生の論文指導は厳しいことで有名で30回以上の書き直しは当たり前と聞きました。今でも私は科研費の申請書などは20-30回くらい手直ししていますが、前の文章が残るので昔の研究者と比べると努力ははるかに小さいのです。(2022.10)