知的機能としての「音楽、歌」

 人間は類人猿から分かれて進化した結果獲得した高度な知的機能を有するのですが、知的機能の一つとして音楽や歌などが挙げられます。村上敬子先生や伏原金男氏など、音楽や歌の題材が多く、村上先生はプロ級のピアノ演奏技術を持っておられ、当初からその経験と幅広い知識を軸に音楽全般のことを述べられています。伏原氏はかつて岩垣博巳前院長が世羅町の古民家レストラン(伏原氏の奥さんが経営)を訪れてから万葉集を紹介されています。最初の紹介歌は「紫の名高の浦の靡(なび)き藻(も)の心は妹に寄りにしものを」現代訳:名高の浦の藻のように心はすっかりあの子に寄っているのだよ(巻11-2780番歌)。

奈良時代の様々な人々や平安貴族達は和歌を即興で作り、ヨーロッパなどではサロンで即興的に音楽を作曲して、それぞれ歌にして披露しあっていました。今も短歌や俳句の会、種々の音楽会などは色んなところで開催され人々が交流し、私は内外の音楽祭において人や音楽との触れ合いを楽しんでいます。人が集まるところには歌があり、そこから生きていることを実感する「楽しさ、喜び」が生まれるものと思います。(2024.8.8)